しもた屋ANNEX

カメラと平凡な日常と

朝ドラ「ブギウギ」とスカパラの思い出

今期のNHK連続テレビ小説(以下朝ドラ)は趣里さん主演の「ブギウギ」ですね。妻とともに毎日楽しく観ております。月曜日からはいよいよ趣里さんの登場ですね。趣里さんは前から好きな女優さんなのでとても楽しみです。

しかし今回このエントリーはドラマのキャストや内容の話ではありません。私が注目したのは、主人公のモデルとなったのが私が若い頃からよく聴いていた、往年の大スター、笠置シヅ子さんだという点なのです。ちょっと長い思い出話になりますが、よかったらお付き合いください。

 

少し前、一眼レフのα303siの思い出を語りましたが、時代は大体その頃か、もう少し前かな?私が都会の大学を卒業して、地元の田舎県に就職した前後ごろの話。

それまでは健全にパンク・ロックなどを聴いていた私は、友達の影響もあって昔のレゲエとか更に昔のスカ、なんていうジャンルの音楽を日々聴くようになっていました。そこで知ったのが東京スカパラダイスオーケストラ(以下スカパラ)だったのです。

当時の私の安物ステレオセットからは、ボブ・マーリー、ザ・スカタライツ、ドン・ドラモンドなどといった本場ジャマイカのレゲエやスカという昔の曲(懐かしい、粗悪な品質のジャマイカ盤LP)と、スカパラの荒っぽい東京スカサウンドが入り乱れ、鳴り渡っていたのでした。アパートの隣がパチンコ店だったので近所にも多少の騒音は平気だったのも幸いしてクラブ並みにガンガンに鳴らしていたら、大家さんに怒られましたっけ。

ここで朝ドラとつながるのです。詳しい方はもうお気づきと思いますが、初期のスカパラは結構、スウィングジャズの名曲や昭和のメロディをスカ風にアレンジした曲をやっていて、笠置シヅ子さんの曲も何曲か演奏していたのです。

当時のスカパラのボーカルはクリーンヘッド・ギムラさんという方で、のちに若くして亡くなってしまったのですが、本当に惜しい人でした。荒削りながらソウルフルでスウィングする、私はギムラさんの歌を聴きたくてスカパラを聴いていたと言っても過言はないと言えるほど、大好きな歌手だったのです。

余談ですが日比谷の野外音楽堂、その他ライブイベントなどにも休みごとに行っていました。若かったんだなァ・・・

余談ついでに書くと、日比谷野音でのメインゲストは来日していた往年のザ・スカタライツで、トロンボーンのドン・ドラモンドはもう故人だったけど、かのテナーサックスの、すでに老人になっていたローランド・アルフォンソ大先生と私たち若造がたまたま客席で出会い、言葉を交わし、握手までしてもらったのだ!同じ客席には前座を終えたスカパラの面々も観にきていて、改めてスカタライツの凄さを知ったのも今では懐かしい思い出。若かったスカパラのオリジナルメンバーも、もう還暦だもんね〜・・・時代は流れて行きます。

で、そのギムラさんが歌ったのが、「ジャングル・ブギ」「ラッパと娘」などの、笠置シヅ子さんが歌っていた曲の数々だったのでした。いっぺんに笠置シヅ子という昔の歌手の虜になった私は、当時住んでいたアパートに贅沢にも有線放送(若い人は知らないかも)をひいて、連日いわゆる「懐メロ」のチャンネルばかり聴いたり録音して車の中で聴いたり、私の音楽遍歴の中の「昭和懐メロ時代」がここに始まったのでした。(他にハードコアパンク時代、'80テクノポップ時代などがあり、現在は'40年代ビバップ時代。私の中での話)

さて、今回の朝ドラでどの曲が扱われることになるのかはまだ分かりません。言うまでもなく最大のヒット曲「東京ブギウギ」はすでに予告でも歌っておられたのですが、できるだけ多くの曲を歌って下さると嬉しいな。

ということで、私には珍しくドラマの話だったのですが、これからの「ブギウギ」楽しみにしています。

笠置シヅ子さんの時代は古すぎて映像があまり残っていないのが残念ですが、ある意味では良い時代になったもので、有線放送などなくても先ほど出たような曲はYouTubeやAmazonPrimeなどで簡単に聴けるようになりました。私は居間に小型の真空管オーディオセットを置いて、Bluetoothで懐かしい笠置さんの曲を流し、涙も流しているのでした。朝ドラ「ブギウギ」をより楽しむためにも、是非聴いてみることを強くお勧めいたします。個人的なお勧めは「ラッパと娘」ですよ、と、ちょっとしつこい昭和生まれの戯言でした。