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カメラと平凡な日常と

村上春樹「デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界」

4月になってもう3日目になります。私は一昨年から昨年にかけて休職していたので、昨年度は途中から復職した形でした。新年度になり、今度は人並みに最初からのスタートになります。職場内の配置も変わり、新たな気持ちで仕事に取り組んでいこうと思っています。

 

配置替えによって同じ部署になった方と雑談する中で、私はジャズが好きだという話をしたら、その方がたまたま持っていた本を貸して下さるということだったので有り難くお借りしました。

 

村上春樹「デヴィッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界」

 

 

 

村上春樹の作品はほんの一部しか読んでいないので、語る資格はまるでない。またこの本に限らず、人から本やレコードなどを勧められたり貸してもらったりしても、多くの場合は好みでなかったり、かと言ってつまらなかった、好みでなかったなどと言っては失礼なので、結果として気を遣ってしまい「面白かったです」なんて無難な感想を言うことになってしまう。

ところが件の本を少しパラパラとめくって、おっ、と思った。この本は村上春樹の著書ではあるが小説ではなく、タイトルにあるデヴィッド・ストーン・マーティン(以下DSM)というアーティストがジャケットの絵を描いたレコードをミュージシャンごとに紹介するという、いわば異色の作品のようなのだ。本の帯に「僕の大好きなジャズ・レコード188枚のことを書きました。」という言葉があるように、この本は村上春樹のコレクションであるジャズレコードの紹介という形を取っている。そして、DSMというアーティストのジャケット画が美しく配置され、それぞれに著者の短めの文が添えられている。DSMという名前は知らなくてもジャズレコードが好きな人なら絶対に見たことがある絵柄で、中には私も持っているアルバムもあったりして、家に帰ってからも他にないかと探してしまった。

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すぐに一枚見つかりました。(CDですが)

 

 

 

作品の根底に常にジャズがあると言われる村上春樹であるが、このように1人の画家の手になるジャケット画だけを集めた、小説家による作品集というのは他に見たことがない。特に村上ファンというわけではない私のような者でもこのセンスには感心してしまった。さすがだ。

 

まだちゃんと読んでない(迂闊なことに本はそのまま職場に置いてきてしまった…)ので、明日仕事に行ったらあらためて鑑賞したいと思います。楽しみです。