しもた屋ANNEX

カメラと平凡な日常と

中秋の名月

と、タイトルにあるように今夜は中秋の名月、しかも満月、ということで多くの人が月の写真を撮ったりアップしたりしていることと思います。しかし、先ほど月が昇ってきて、写真を撮ろうと思ったのですが、以前から思っていたのだけど月の写真って意外に難しい。結局スマホでも一眼でも、上手く撮れませんでしたので、タイトルには反しますが月の写真は無しです。他で見てきて下さい。

これは今朝の通勤途中に撮ったもの。月とは関係ないです。

と、言うことで今日はうちの地域での年中行事、「お月見泥棒」について書きます。

夕方帰ってきたら、近くの神社のところでガキんちょが、じゃなくて小学生の子供たちが自転車で集まっている。ははーん、と気が付いた。この地域では昔からこの日には伝統行事である「お月見泥棒」があるのだと。

お月見泥棒というのは全国的に散在しているので、ある地域とない地域があると思うのですが、要するに中秋の名月の夜に、家々が子供達のために玄関先にお菓子を用意してくださる。それを小学生たちがもらいに行く、という、いわば和製ハロウィンみたいな行事なのである。私は子供の頃からここに住んでいるわけではないのでよくは知らないのですが、妻は子供の頃から参加していたという。お月見泥棒なんて、良い呼び名がついたのは最近で、昔は「菓子パクリ」更に昔は「芋パクリ」と呼ばれていたのだそう。パクる、というのは盗むという意味であり、ま、綺麗な言葉でいえばお月見泥棒、ということになったのでしょう。今でこそ大人たちがお菓子を用意して、子供たちはそれらを自由に持ち帰ってもいいという、子供のための楽しい行事になっているわけですが、妻によれば昔は自転車などではなく歩いて家々を回り、どこの子や?と聞かれ、〇〇の誰々です。と答えて、あ、あそこの子か。と言ってお菓子や、本来は満月にちなんで里芋を炊いたものをもらって歩いていたんだと。だから「芋パクリ」だったわけなんだけど、さすがに現代の子供は里芋をもらっても嬉しくないだろうと、いつの頃からかお菓子だけを配るようになったのだそうで。

私自身は子供の頃から引っ越しや転校ばかりで、小さい頃の思い出があまりないので、そういう伝統みたいなのには憧れがあるのですが、最近は子供達もマナーの悪いのがいて、うるさかったり道路で危険だったりと、後で小学校に苦情が入るんだそう。まあ、歴史とか伝統も変わっていくものですよね。

ところで今日は週末、里芋も団子もないですが、庭先から月を見て、嗚呼、丸いなぁと思った秋の夜でした。ちなみに夕食はまた一週間お疲れ様、ということで好物の鰹のタタキを用意してもらいました。美味しかったです。