しもた屋ANNEX

カメラと平凡な日常と

極論すれば一眼はダサい。カッコいいカメラが欲しい。

考えてみたらこれまでちゃんとしたコンパクトなデジタルカメラ(以下コンデジ)を使ってこなかった。なぜそんなことを思ったのかというと、今まで目に入っていなかった高級コンデジが、最近やけに格好良く見えて、気になるようになってきたから。

 

そもそもの始まりから書くと、デジカメ黎明期にはまだデジタル一眼レフ、あるいはレンズ交換式デジカメというものはまだなかった。プロ用の超高額なデジタルバックみたいなものはあったのかもしれないけど、一般にデジタルカメラというのはまだフィルムカメラの代替品というか、性能的にもまだフィルムを超えられていないもの。利点はフィルムが要らない、カメラ屋で現像する必要がないというのが大きかった気がする。

 

カシオQV2800UX 思い出に残る名機でしたが残念ながら不動。

211万画素。光学8倍ズームはビデオカメラのように長い鏡筒あってのもの。フィルムではありえない回転式ならではでした。(スイバル、という言葉は嫌いなので使わない)

 

デジタルカメラが普及し始めた頃は楽しかったなァ、超小型のものから超望遠のもの、レンズ部分の角度がくるくる変えられる(フィルム時代なら、光軸が可変であるなど考えられなかった)ものや、オシャレに首から下げて歩くファッショナブルなものなど、大きさに関係なく、いずれもレンズ交換式ではないという点で「コンデジ」だったわけだ。

その頃の私は、先ほど書いたレンズの角度が変えられるなどフィルムカメラではありえない構造のカメラこそ、デジタルカメラのメリットだと思っていた。だから私が買ってきた代々のカメラは、カシオのqvシリーズのような回転式、ミノルタのディマージュxシリーズのような超小型といった、コンデジの中でも斬新な構造のものが中心だった。画素数がまだ200万とか400万とかだった頃で、今から思えば画質はまだまだ。新製品が出るたびに各社とも画素数競争を繰り広げていた。

 

ミノルタDiMAGE Xt 

 

320万画素。独特の屈曲光学系と呼ばれる構造で、この形で光学3倍ズームを実現していた。

 

しかし時代の潮流は私が考えていたような方向へは行かず、世の中カメラらしい形をしたカメラばかりになり、画期的なカメラは影を潜め、さらにスマートフォンという新たなる刺客が現れるに至って、現在ではコンデジはほぼ絶滅したような状態だ。一部の高級なものを除いて…

 

デジタル一眼レフもしくはミラーレスカメラは、確かによく写るし、レンズ交換はもちろん色々な意味で拡張性が高く、撮影の幅も広く楽しい。ただ、ちょっと独善的につけた今回のタイトルにあるように、一眼カメラは(フィルム時代も含めて)ある意味カッコ悪いところがあると個人的に思うのです。ただでさえ大きなカメラに、長く突き出したレンズ。ゴツゴツと無骨なデザイン。それを持ち運ぶのにも多くは野暮ったいデザインのバッグが必要だし、いわば撮影に特化した道具なのであって、格好良さなどは二の次、また本来そうあるべきものなのだ。

 

上:デジタル一眼レフ 下:フルサイズミラーレス一眼

好きだし、格好悪いとまでは言わないけど、懐からシュッと出してとは行かないわね。

 

一眼レフやミラーレスカメラで、その場に合わせてレンズを選び…というのはもちろん楽しいんだけど、あえてレンズ交換のできない一体型カメラ一台持って、街中で素早くスナップを…という、フィルムのコンパクトカメラやコンデジの頃にやっていたようなのがすごく格好良く思えてきたのである。しかし、さすがに以前に買った昔のコンデジでは満足できないだろうから、もう少し趣味性もある、所有欲を満たすような「いいコンデジ」が欲しいな、なんて思ってしまったのですが、元来あれもこれも欲しい割には一点にお金を注ぎ込めない私。当面はNEX-6かPEN LITEあたりに単焦点でもつけて我慢するしかないんだろうな…