しもた屋ANNEX

カメラと平凡な日常と

黄色の小さな電車

以前の記事で、黄色の電車が小さく写っている写真を載せたのをご覧いただいた方もいらっしゃるかもしれません。その時に、この鉄道は実は日本一な部分があって…みたいな思わせぶりなことを書きました。

OM-D E-M1 markll zuiko 14-54mm

 

今日の午前中、その電車の駅の近くにあるメガドンキへ行った帰りに車に乗ろうとしたら、ちょうど踏切が鳴り出したのね。お、これはグッドタイミング!と思い、車に置いておいたカメラを急いで取り出して、向こうから近づいてくる電車を撮影することができました。

 

TVで時々取り上げられているので鉄道好きの方には有名なローカル線なのですが、その名は「三岐鉄道北勢線」といいます。三重県桑名市いなべ市とを結ぶ、路線距離約20kmの小さな鉄道なのです。

その最大の特徴は、「ナローゲージ」であること。つまり、2本のレールの間が、営業しているすべての鉄道の中で最も狭い762mmしかなく、なんと東京ディズニーランドのアトラクション、ウェスタンリバー鉄道と同じなのだとか。

これだけでも軌道の狭さ日本一、ということになるわけですが、ナローゲージの鉄道は全国に「四日市あすなろう鉄道」、「黒部峡谷ロッコ電車」の2つと合わせて3路線があり、いずれも軌道は同じ。そして私も最近知ったのですが、この3路線の中で、一番長い距離(と言っても20kmほどですが)を走るのがこの三岐鉄道北勢線なのだそうです。

写真は地元自治体の公式ページより。

 

この三岐鉄道北勢線、昔は近畿日本鉄道近鉄)の一路線だったのだけど、のちに廃線の危機にさらされる事になります。沿線住民は「乗って残そう北勢線」というスローガンを掲げて反対しましたが、なんといっても車中心の田舎社会ですから利用客も多くはなく、一般にはまあ廃線やむなし、という空気が流れていたように思います。するとある時、三岐鉄道と沿線の自治体などの出資により、奇跡的に存続することが決定したのでした。それどころか駅舎がリニューアルされた駅もあったり、パーク&ライドの乗客を増やすためか駐車場が広くなったり、自動改札ができたりと、住民にとってはまるで夢のような出来事でした。

その後ナローゲージが珍しいっていうのでTVで取り上げられたり、「鉄道むすめ」なるキャラが誕生したり、鉄道写真家の中井精也さんがBSの番組で紹介したりと、知名度も上がり、当面は廃線の心配はなさそうです。

 

「楚原れんげ」さんだそうです。

鉄道むすめ」公式サイト

https://tetsudou-musume.net/index.php

全国に広く分布しているらしい「鉄道むすめ

私はこういうのあんまり・・と思いますが興味のある方はぜひ。スタンプラリーみたいなのもやってるみたいよ。

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撮影ポイントのひとつ「ねじり橋」

これも話すと長くなりますので今回は写真だけ。(写真は三岐鉄道公式HPより)

 

昔、近鉄だったころは車体の色があずき色の近鉄カラーだったのですが、今は黄色の三岐鉄道カラー。ちなみに三岐鉄道という名前ですが岐阜県は通りません。元々は関ヶ原まで行く計画だったとか。時々、グリーンとクリーム色のツートンカラーの車体が走っているのですが、これは昔、三重交通が運営していた頃の三交カラーなのだそう。中井精也さんが番組中で見て興奮していました。また、何本かに1本はヴィアティンというチームのラッピング車両も走っていたりします。クリスマス電車なんてのもあるとか。

地元自治体の旧TwitterのXより。

 

まあ、色々頑張っているようで何より。自分はたまに乗る程度だけど、いつまでも存続してほしいものです。

長くなりましたが今回はこれぐらいにしておきましょう。皆さん、桑名市方面に来たら一度北勢線に乗ってみてね!